第30号 三鷹稲門会 会報 – 2022年6月30日 発行

三鷹稲門会総会中止のお知らせ
~コロナ禍3年続けて~

会長 亀谷 二男(S41・法)
 三鷹稲門会会員の皆様には常日頃から三鷹稲門会の活動にご理解とご協力をいただき感謝申し上げます。
 コロナ禍における三度目の初夏を迎えました。会員の皆様には、季節の変わり目と長引く「新型コロナウイルス」の感染拡大のなか、いかがお過ごしでしょうか。心からお見舞を申し上げます。また、ご自愛のほどお祈りいたします。
 3年目に入った「コロナ禍」ですが、小康状態に向かっているとは言え、未だに終息方向とは断定できません。早稲田大学では、現在次期総長選挙(選挙期間5/19~6/15)が行われておりますが、大学関係の諸会議及び校友会関係の諸会議もオンラインによる開催を原則としております(5月31日現在)。このような状況下において、三鷹稲門会では、六月開催予定の総会は中止することとしました。コロナ禍の終息状況を見極めながら、秋以降の総会開催の可能性を探ることにいたしました。1日も早い終息を願うばかりであります。
 4回目のワクチン接種が、三鷹市においても始まろうとしています。やはり「ワクチン接種」こそが、コロナウイルス感染を防ぎ、重症化を防止する何よりの決め手であります。三鷹稲門会の諸兄姉の皆さん、是非ワクチン接種を受けコロナ禍を無事切り抜けてください。

 さて、三鷹稲門会会員の河村孝三鷹市長も、いよいよ来年4月には2期目の再選を目指して頑張っています。一期目4年間の大半をコロナ禍の影響によって、市民との触れ合いのチャンスが制限されてきましたが、去る4月23日(土)にやっと「河村孝市政報告会」を成功裏に実施しました。多くの三鷹稲門会のメンバーも出席して、激励していただきました。
 今年度も会員の皆様とお会いすることができず、まことに残念ではあります。今年の秋には、3年分まとめて総会が開催できますことを心から期待しております。
 最後になりますが、会員の皆様、ご家族の皆様にはどうぞご自愛のほど心からお祈り申し上げます。


~ 三鷹稲門会・会員寄稿文 ~

行政書士のはなし

粟飯原 計胤(S55・法)
 昨年10月に最後の勤務先を退職し、行政書士として事務所を開業いたしました。開業といっても自宅に「行政書士事務所」の表札を付けただけです。すぐに仕事の依頼が来るわけでもなく、さてどうしたものかと手探りで活動を始めたところです。営業らしい営業も今のところほとんどやっておりませんが、そこが一番大切な仕事と言われていますのでコツコツと努力していこうと思います。開業後これまでは「会社設立関連書類作成」、「遺言書作成」などの仕事をしました。地元の行政書士会の無料相談会での相談対応や三鷹の中学校での法教育の手伝いをして、いろいろと出来る業務の幅を広げようとしています。しかしまだ生業として成り立つところまでは来ていません。ホームページを作る予定なのですが、何をするのか、どんな業務を中心にするのかが絞れず、未だにできておりません。

 行政書士になってから一般の方々の話を聞いてみると行政書士の仕事についてあまりご存じないことがわかりました。弁護士はテレビなどで頻繁に登場するあこがれの職業ですし、税理士や司法書士は税金、登記など皆さんの身近なことに関連している仕事をしているのでわかりやすいようです。 では行政書士は何かというと、官公署

(各省庁、都道府県庁、市・区役所、町・村役場、警察署等)に提出する書類の作成、同内容の相談やこれらを官公署に提出する手続について代理することを主な業務としています。その書類のほとんどは許可認可(許認可)等に関するもので、その数は1万種類を超えるとも言われます。
 官公署に提出する書類の例としては、「建設業許可申請」、「宅建業免許申請」、「風俗営業の許可申請」、「自動車登録申請」、「書庫証明」、「外国人の在留資格についての申請取次」などがあります。また、それ以外に権利義務または事実証明に関する書類を作成することも業務の一つです。その例としては、「各種契約書」、「遺産分割協議書」、「定款や議事録」、「財務諸表、会計帳簿等の会計書類」などがあります。

 そして書類の作成以外では、成年後見、行政不服審査の手続き、仲裁の手続きなども業務範囲となります。幅広い業務範囲ゆえに、これが行政書士の仕事であるということが一言で説明しにくいのが、認知されていない一因かと思います。皆さんもこれらの書類などが必要なときは行政書士にご相談されてはいかがでしょうか。

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ウイズコロナ社会を楽しく生きる。
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 平賀 脩三(S40・法)


 海外ニュースでは、登校しようと玄関を出た子供たちが父親からもうマスクをしなくても良い、と言われるといっせいに外し、なかにはマスクを放り上げて走りまわる子も現れる映像を見ました。日本では、中学の部活で運動中もマスクを付けて、水を飲む時もずらして使いこなそうとしています。マスクの活用だけでなく、私たちはウイズコロナ社会に上手に順応し始めているように思います。
 人生100年の時代に向かいつつあり、私も健康に長生きして来たことに感謝をしています。ライフステージの最終段階を迎えて自由な時間を有効に活用して再び知的好奇心を満たすため「学び」の楽しみを追う意欲が湧いて来ました。そして今とても満足して続けていること、それは早稲田大学のオープンカレッジ講座の聴講です。この制度は早稲田大学の前身(東京専門学校)の創設から4年後に高田早苗総長の発案で始められた「校外教育制度」に端を発しています。 
 実社会の仕事から離れて以来、私は日本と日本人の紀元に興味を抱き、縄文時代から始めて古墳を辿り、出雲と大和の歴史探訪にはまりました。そして2019年4月からオープンカレッジ講座を聴講してみることにしました。日本の歴史上の興味に自分なりの答えを導きたいという意欲と、もう一度あのキャンパスの空気を感じてみたいというノスタルジックな思いもありました。そして選んだが古事記学会理事の菅野雅雄教授(90歳)の「『古事記』を読み直す」講座です。

 90分の講義はとにかく面白く、時間の経つのが早いことに驚きました。ひとつの字句から話は中国、朝鮮そして日本各地へ時空を超えて広がりその膨大な研究の成果が淡々と語られるのです。ふと昭和40年頃聞いた斉藤金作法学部教授の名物講義を思い出してとても懐かしくなりました。受講を始めて3年経ち、岩波文庫『古事記』(倉野憲司校注)(3巻)の上巻の講義が今終わろうとしています。
 現存する古事記の写本は、天武天皇の命により最終的に元明天皇に呈上されたものではなく完成1歩手前のものだから解釈を進めると色々な食い違いがあちらこちらから出て来る。原本ではないにしても、天皇の正統性を語り、日本の古代を語る重要な歴史書であることに変わりはない。解けない謎が散りばめられたミステリアスな日本最古の歴史書である。戦前の神道的、神がかり的な研究から抜け出して、新しい歴史上の発見を加味した研究成果を披露しながら、その更なる研究を皆さんに委ねたい、と教授は語りかけられる。
 しかし私は、菅野教授の研究の膨大な成果を聴講する楽しみに浸ることに集中させていただくことになりそうです。

 正午の鐘が大隈講堂から響き聴講が終わると正門からキャンパスに入り大隈公の銅像の前を曲がって西門から地下鉄に向かいます。大隈公の周りはまるで渋谷の交差点のような学生たちの流れ、その中に「おお、久しぶり」、と声を掛け手を振ってすれ違って行く自信に満ちた青春が弾けていました。

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      《 編 集 後 記 》
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・コロナ感染者数は減るも収まらず、なんとも歯がゆい気分です。
 長期化を視野に入れ会の運営もウィズ・コロナとなる事が求められています。
・早稲田の学生も女性比率が増え、理工学部でも2割を超えました。
 留学生も多く、キャンパスでは多言語が飛び交うそうです。
 時代だとはわかっていても気分は浦島太郎。
・さて、本格的な暑さがやってきました。 庭に植えた苗も伸び、2才になる孫と真夏の冷し 
 トマトを楽しむ計画です。自ら熱中症 にならぬよう注意、注意。  (編集部)

(30号-了)